デザインや経営の相談で、相談者さんが思ってもなかったような提案をすることもよくありますが、ただ背中を押すだけということもあります。
相談に来られる前から「本当はどうすればいいかわかってる」パターン。
例えば
ビジネス立地にある老舗の飲食店の店主さんから、売上を上げないと店が続けられないというご相談。
相談のきっかけは、チラシやクーポンなどで販促をしたいのでツールをデザインして欲しいというもの。
ヒヤリングしてみると…。
ご本人はタバコが苦手だけど、喫煙を目的にしたビジネスマンの来店が多いから我慢してる。
珈琲は自家焙煎していて品質には自信があるけど、値上げするとお客さんが減りそうで値上げできない。
休みは週一で、年齢とともに朝早くから開店準備をするのが辛くなってきた。
みたいな悩みが。
そこでご提案
僕の提案は
週休二日にして、メニューを値上げして、禁煙にすること。
販促云々の前に、まず店主さんが我慢してることをやめて心身ともに元気になることをおすすめしました。
「それができたら理想だけど、そんなことしたらお客さんが減ってしまう」
と抵抗されましたが「どうせなら理想を実現しましょうよ」と押し切りました。
同時にファサードやメニューのデザインに手を加えてイメージチェンジ。
結果は、最初こそお客さんも売上も減りましたが、なにより店主さんが元気になって、珈琲が美味しい店として取材が入ったりするようになりました。
いまも新しいメニューを増やしたりして元気に営業されてます。
やっぱり視点あげてこー
僕は店主さんの「本当はこうしたいけど実行するのは難しい」という思い込みを取っ払って、少しデザインをいじっただけ。
ひとが悩んでるときって、視点が下がってるので、少し上げるだけでも世界の見え方が変わり、現実が変わります。
ただ、そのためには自分のなかの固定観念と向き合う必要があることが多く、自分で気づくのは難しいし、気づけても実行するには勇気が必要になるのも事実。
おもしろタノシズムには、人生を好転させるコツとして
「努力に逃げるのをやめる」
というのがあります。
上の店主さんは「そんなことをしたらお客さんが減って店が潰れる」という思い込みから、向き合うべきところを避けて、我慢してがんばることに「逃げていた」とも言えます。
いま仕事や人生が空回りしたり、イマイチ楽しくないと言う人は、我慢したりがんばったりすることで何かを避けてないか考えてみてはいかがでしょう。